News Release
2022年12月1日 丸井織物株式会社
「繊維には夢がある」
衣服はもちろん人工血管や航空機・宇宙用途まで、生活に深く入り込んでいるのが繊維という素材です。
日本で唯一、ファイバー研究の専門学部として研鑽を重ねてきた「信州大学繊維学部」。
日本で唯一、モノづくり×ITにて織染一貫の最先端体制を誇る「丸井織物」。
両者が手を取り合い、次世代の開発を担う人材を育成するために、製品開発のシミュレーションや教育用動画の作成など、実践的産学官連携PBL ※を実践していきます。
先駆けて両者間にて包括的連携協定を締結し、11月30日(水)に丸井織物株式会社本社にて調印式を執り行いました。
【本取り組みについて】
「繊維業界に興味を持つ学生を増やし、日本の繊維業界の発展につなげたい」
大学と企業。立場は違えどこの想いは共通していました。
学内での授業や研究に加えて、現場視点での実践的なモノづくりを学生に体験してもらうことで、繊維の面白さの本質を伝え、就職後の早期活躍にもつなげることを考えました。
講義や実習に使用する教育動画などを共同で開発するとともに、PBL ※をスタートします。
先駆けて、2022年10月6日に感性工学科 長尾教授の授業にて、丸井織物の機能性生地を使用した最終製品のアイデア出し講義を実施。川中企業がどのような目線でモノづくりを進めているかをお伝えし、授業後のフォローも行いました。
来年4月からは、繊維学部の学生に丸井織物と倉庫精練にお越しいただき、業界最先端の IoT 工場で織染一貫のモノづくりを進めている丸井グループにしかできないプログラムをご提供します。
繊維の可能性を信じて取り組んでいく。
(信州大学繊維学部長 森川英明様)
「繊維は人々の生活にとって重要なもの。これからもなくならないし、人材育成や研究開発、産学連携は絶やしてはいけないと、私たち繊維学部の先人である先生方が意固地に頑なにやってきました。国内唯一の繊維学部として、たとえ苦しくても常に繊維のこれからの可能性を信じて取り組んでいくこと、その一点です。
志を同じにする丸井織物様と包括的連携協定を結ばせて頂いて、まずは人材育成から始め、お互いにとって幸せな形になるように進めていきたい。
将来の繊維産業のあるべき姿に向けて、今日はひとつの出発点になります。今後も末永くよろしくお願いいたします。」
繊維、業界、産地のため総力を上げる。
(丸井織物代表取締役会長 宮本徹)
「私はもともと自動車業界から入社しましたが、“繊維には夢がある”と言われても当初はピンと来なかった。が、よくよく勉強していくと、私たちの生活に繊維が幅広く使われているということを認識することができました。
当社は織の会社でありながら、染色や縫製、最終製品までトータルで見ることができる人材をつくろうとしている。繊維学部の学生に私たちのところへ来て現場を見て頂き、私たちも大学へ赴き勉強し、形だけはなく実のある交流をしていきたい。ここで気持ちが一致し、この連携ができたことを嬉しく思います。
繊維のため、業界のため、産地のため。我々も総力を上げて、日本で唯一の繊維学部様と一緒に“繊維はここにあり”と、日本のモノづくりはここにあるんだという気概を持って取り組んでいきたいと思います。」
繊維業界を選ぶ学生を増やしたい。
(信州大学産学連携室長 村上泰様)
「大学には『教育』と『研究』という二本の柱があります。未来へ向けて、これからどう進めていくかを常々議論しています。
我々教員も現場を知ることで、より世の中の課題にピントが合った教育や研究ができるようになる。丸井織物様のように繊維の分野で常に先頭を走り、卒業生が生き生きと活躍している企業様と組むことで、もっとこういう教育を、こういう研究を、と良い方向に進むと信じております。
今後は“繊維業界は明るい”と言える時代。繊維の明るさをしっかり伝えて、繊維は面白いねと言って繊維を選ぶ高校生や就活生を増やせるようにしていきたいと思います。」
モノづくりや繊維への好奇心へと繋がって欲しい。
(丸井織物テキスタイル開発課長 杉本和也)
「私は一度繊維を捨てた人間なのですが、当社に就職してくれた卒業生を見ていると、繊維を誰よりも好きだという熱意を感じます。研究の学びとして、繊維をミクロ状態まで観察し、より深堀りすることで成果に繋げようと実践しています。
今回私が叶えたい目標は、繊維に夢を持つ学生を一人でも多く創出するということ。繊維には夢がある、ワクワクする、楽しいものだというコトの気付きを与えて行きたい。学生時代に企業の現場を体験頂くことで、モノづくりの面白さや繊維への好奇心へと繋がって欲しい。そう期待しております。」
※PBL…Project Based Learning(課題解決型授業)